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DR.トマトプロトコル

漢方薬のどんな作用で治療効果を生み出すか?

漢方薬が自閉症の原因と悪化要因をどのように治療するのか?
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1つ目:抗ウイルス作用による脳幹の調節機能の回復

私はDr.トマトプロトコルに基づく漢方薬の治療法は、他の生医学的治療法や糞便移植術よりもはるかに優れた効果を出していると信じています。その主な理由は、漢方薬が作り出す抗ウイルス効果のためです。前述したように自閉症スペクトラム発生の一次原因はウイルス感染です。ウイルスの中枢神経系感染で脳幹部位と視床下部が損傷し始めたのが自閉発生の直接的な原因です。脳幹と視床下部のウイルスが統制され始めれば、わずか1~2週間以内に自閉的な性向が除去され始め驚くべき効果を示すことになるのです。

アイコンタクトの増加、聴覚触覚追求の減少、注意集中力の向上、そして睡眠障害の改善と消化排便能力の改善などの現象がわずか1~2週間以内に一度に現れます。このような現象は、ウイルスから誘発された中枢神経系の炎症がコントロールされ始めるために可能なのです。

無能なウイルスは宿主を殺しますが、有能なウイルスは宿主と共生します。自閉症とは、中枢神経系に侵入したウイルスが持続的に人間と共存、成長して発生/悪化する障害です。したがって、中枢神経系ウイルスを制御できる治療法以外の治療法は、自閉症状を効果的に治療することは難しいでしょう。

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問題は、現存する化学的に調製された抗ウイルス剤の効果が非常に制限されているという事実です。さまざまな変異ウイルスに共通して効果をもたらす抗ウイルス剤を開発することは事実上不可能です。私たちはコロナによるパンデミックの経験から、この事実を痛感しています。原因ウイルスが明らかな状態でも開発が不可能ですが、多様なウイルス感染が関与すると推定される自閉症の発生を効果的にコントロールできる抗ウイルス剤を開発することはほぼ不可能でしょう。

しかし、天然薬剤を利用すると非常に効果的な抗ウイルス作用を生み出すことができます。シナモン、高麗人参、麻黄などの天然物薬剤には抗ウイルス効果があるということは広く確認され、検証された事実です。特に天然物薬剤の配合を利用した伝統医学(Ethinomedical)が抗ウイルス効果を出すようになった理由は概ね以下の2つで説明できます。

第一に、植物は成長過程でにおいて実際に成長に必要な栄養物質の他にも、外部菌から自分を防御できる多様な二次物質を合成します。 フェノリック(フラボノイド、キノン、クマリン、タンニン、アントシアニン)、テルペノイド(コレステロール、サポニン、エッセンシャルオイル、ククルビタシン)、アルカロイド、タンパク質、ペプチドなどに分類されるこの二次代謝産物は、少し特異的で構造が非常に多様です。この物質は概して有毒性を持ち、強い悪臭を伴い病原体を攻撃する特徴を持っています。このような多様な物質と構造により、多様なウイルス全般に対する包括的な攻撃機能を示すことができるようになります。

第二に、中国そして韓国などで発達した伝統医学(Ethinomedical)は、天然物薬剤を単一植物としてのみ使用するのではなく、様々な植物薬剤を混合使用する複合治療法を確立しました。これにより、単一植物が持つ多様な抗ウイルス作用が加わり、強力なシナジー効果で増幅され、実際に多様な伝染病治療に適用できる臨床的な成果を定着させることができました。

その結果、現在の化学的薬物治療法と比較すると、バクテリアを殺す抗菌治療法では化学的抗生剤治療が効果的ですが、ウイルスを殺す抗ウイルス治療においては天然物を利用した治療法の方がはるかに優れた効果を見せています。

漢方薬が抗ウイルス効果を出すメカニズムは、一つや二つの方法で現れる効果ではありません。 様々な効果が複合的に現れることが確認されますが、縮約して説明すると次のようになります。この内容の詳細は、2019年に出版されたNew Look to Phytomedicineという本の中で言及していますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

1つ目に、自己捕食機能を促進しウイルスを直接除去します。2つ目に、ウイルスの複製を直接抑制し増殖機能を弱めます。3つ目に、活性酸素の生成を通じてウイルスの成長を抑制します。4つ目に、ウイルス遺伝子発現の変化を誘導し致命性を弱めます。5つ目に、粘膜で防御機能を活性化させウイルスの浸透自体を抑制します。

このような総合的な作用によって漢方薬を利用した天然物治療法は、ウイルスとの戦いにおいて完勝を収めることができ、自閉発生の根本的な原因を治療できる可能性が広がります。

02
2つ目:腸内細菌叢の不安定回復及びプロピオン酸塩の除去
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自閉進行の模式図で指摘したように、大脳全般の本格的な退行は腸内細菌叢のdisbiosisによって誘発され、特にプロピオン酸塩に代表される腸内有害細菌が作り出す有毒性物質の体内流入によって行われます。したがって、自閉症の治療効果が安定的に進行するためには、1次原因除去である抗ウイルス作用を越えて、2次原因除去である抗菌作用が総合的に行われなければなりません。

腸内disbiosisを解決する抗菌作用で最初に考慮されるべき作用は、有害菌の個体数を減少させる作用で最も決定的です。たとえば、クロストリジウムは自閉症を悪化させると強く疑われる嫌気性バクテリアです。クロストリジウムの他に嫌気性細菌の個体数全体を減少させる際に、自閉症状が改善される可能性があるということは、バンコマイシン抗生物質を用いた治療によってすでに論証されています。ただその治療法は様々な副作用で持続できず、バンコマイシンを中止すると自閉症の治療効果も消えてしまいました。 今は人体に無害で持続的な抗菌効果を出せる治療剤が必要な状況になりました。

非常に安定した抗菌作用ができる物質と確認されたもののうち、直接抗生物質を使用するのではなく、プレバイオティクス物質を使用する方法です。現在までに確認された代表的な物質はイヌリンです。 イヌリンは胃腸と小腸で消化されないまま大腸内でバクテリアによってのみ分解されるプレバイオティクスとして作用しますが、クロストリジウムを減少させる効能で自閉症にも効果があると知られています。

イヌリンは、天然物の薬剤によく見られる水溶性天塩繊維質です。最も代表的にものはキクイモ、タンポポの根、ゴボウ、レンコンなどの天然物薬剤に非常に豊富に存在します。漢方薬を利用して自閉症を治療し、有機酸検査を通し確認してみるとクロストリジウムの数値が低くなることが、すぐに確認できます。

2番目に効果的な方法は、直接的な抗生物質(antibacterial)、抗菌(antimicrobial)作用のある天然物薬剤を使用することです。天然物薬剤の抗生作用は人体に及ぼす副作用が非常に微弱なので、無理なく長期間の使用できます。最も代表的な例としては、金銀花(スイカズラの葉)、桔梗(キキョウの根)、蓮橋(レンギョウの実)は天然抗生剤効果のため、数千年前から細菌性感染疾患に応用されてきました。 また、黄金、黄白、黄蓮などは抗菌作用が豊富で、細菌性感染疾患に胃腸管の炎症を安定させ、免疫力を回復させ恒常性を維持させる優れた効能を持っています。このような抗菌抗生物質のある天然薬剤を長期間持続的に服用させると、腸内環境が改善され、腸内有害菌の個体数を減少させることができます。

腸内細菌叢を安定へと導き、同時に重要な治療目標は有害菌から合成される有害性短鎖脂肪酸などの有害物質を除去することです。最も代表的な物質として確認されたのはプロピオン酸塩です。プロピオン酸塩は神経細胞組織を異常に変化させるなど重大な変化を引き起こし、続いて自閉症のような神経行動と生化学的異常を誘発することが確認されました。したがって、これを安定的に除去する治療法は退行性自閉症を回復させるのに重要な治療目標にならなければなりません。

プロピオン酸塩を除去する効能があると知られている物質はクリソファノール(Chrysophanol)です。動物実験による研究結果だと、Chrysophanolはプロピオン酸塩に晒されたネズミの社会的相互作用、学習及び記憶力不足を効果的に改善することを示しています。つまり酸化ストレス、神経炎症、ニューロン死亡を成功的に減少させ、自閉症を治療する効果があると確認されました。

Chrysophanolは天然物薬剤から抽出された天然物質です。そのため、抗炎症作用のある漢方薬に非常豊富に含まれる成分です。代表的に物は大黄、決明子、虎杖根、川芎、ガガイモ、ツルドクダミ などから豊富に観察されます。このような薬剤を組み合わせて持続的に投薬すると、プロピオン酸塩の他にも細菌起源性有害物質を外部に排出させる効果があり、自閉治療に効果があると推定されます。

人間が食べる食べ物が結局は腸内細菌の餌になります。 人間が食べる食べ物の姿がまさにその人の腸内マイクロバイオーム(microbiome)の姿だそうです。健康的な食生活の回復と腸内有害細菌を抑制調整する天然植物をプロバイオティクスで持続的に摂取するのが、結局はdisbiosisを解決する最も安定した方法です。Dr.トマトプロトコルが提示する漢方薬の治療法は、このような必要性を非常に効果的に解決できます。

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3つ目:自律神経系の回復と消化機能の回復による SIBO症状の安定化

自閉症を誘発するマイクロバイオームの問題が腸内細菌の多様性の不足のためなのか、それとも腸内細菌の過剰増殖が原因なのか明確ではありません。ネメチェックプロトコルによると、腸内細菌の過剰増殖が主な原因であり、増殖した細菌が小腸内で増殖することが根本的な問題だそうです。実際、抗生物質を利用した研究によると自閉スペクトラムの児童から多様な細菌種が確認されることが多かったとして、ネメチェックの主張を支持する根拠になっています。

筆者Dr.トマトも、臨床経験を踏まえると治療をしながら正常範囲に回復する自閉児童の中には有機酸検査上の腸内有害細菌がむしろ過剰に増加検出される事例が多かったです。このような現象は腸内のdysbiosisが悪化傾向を見せたとしても、小腸のSIBO症状さえ安定すれば自閉症状は好転するため可能な現象と推定されます。ですので、筆者の考えも Nemechek (ネメチェック)の主張と同じです。

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つまり、自閉症の症状上の悪化過程は、大腸内の有害菌の過剰増殖が小腸に逆行し小腸内で増殖を始めるSIBO症状が同時に発生することです。これは腸内細菌のバランスをいくら回復させたとしても、SIBO症状が解決しなくては自閉症の根本治療が不可能だということを意味します。SIBO症状の解決が腸内細菌銃の攻撃から自閉児童の脳を保護する最善の治療というわけです。

SIBO症状自体を解決する最も根本的な方法は、胃腸管の消化能力を正常化させることです。大腸内の細菌が小腸に逆行する主な原因である消化能力の低下によって、腸管の運動能力が低下するからです。つまり、消化速度の低下は細菌とその代謝物を作付け場に送る能力を減少させるため、小腸に逆行する余力が発生するのです。したがって、消化能力を再建させることがSIBO解決の根本的な鍵であり、自閉性の胃腸管の状態を正常範囲の胃腸管に回復する根本的な治療過程になるでしょう。

消化酵素(Digestive Enzyme Supplement)を自閉症の児童に服用させると治療効果があるという研究論文があります。特に怒り発作の減少と行動障害の安定化が目立ち、CARS評価でも意味のある好転を見せたそうです。結局、消化能力の改善が自閉症を緩和させるということです。しかし、消化酵素は胃腸の消化の化学的作用を助ける効果で、消化管の化学的負担を減らす効果はありますが、消化速度を向上させる機能的で物理的な改善には効果がありません。

胃腸管の運動速度を高めて消化能力を改善させる効能は、漢方薬材を利用した治療法が非常に優れた効果を示します。昔から機能的消化障害において、漢方薬は比較にならないほどの効果を示します。代表的な天然薬剤としてはオケラ、茯苓、半夏、縮砂、陳皮、草豆蔲、白豆蔲など無数にあります。消化酵素(Digestive Enzyme Supplement)と共に機能性消化障害を治療する薬剤を並行する場合、SIBO症状を克服し自閉症状を緩和させるのに非常に優れた効果を見せることができるようになるのです。

漢方薬を使用した消化器治療過程は、単にSIBO症状を改善させるのに止まらず、自律神経失調症を治療する効果も伴います。消化障害発生の根本原因は、自律神経系の不安定さに起因します。したがって、消化障害は自閉児童から観察される睡眠障害、不安障害、強迫障害、無気力な意欲低下などの症状と繋がっているのです。そのため単純な消化能力の改善に止まらず、自律神経系失調症の回復に進んでこそ、根本的な治療に到達できるようになります。

現在、化学的な薬物治療法では、これを調節する方法はありません。栄養剤を用いた治療法を用いる機能医学も、対症的な治療法が通用するだけです。例えば消化障害には消化酵素、睡眠障害にはメラトニンなどをを使うことです。自律神経全般を調整する効果は全くないと思われます。このような理由で自閉治療において自律神経系の調節効果を出せる方法として使われるのは、迷走神経刺激術やTMSを使う方法だけです。これは漢方治療で行われる鍼治療と同様の効果をもたらします。自律神経系の一時的な調整効果は見られますが、自律神経系の根本的な回復を遂げることはできません。

機能性消化障害を治療する韓方薬は、驚くべきことに自律神経系の安定を誘導する効果を併せ持っています。例えば、茯苓という漢方薬材は消化力を改善させながら不安障害、睡眠障害を改善させる効果を同時に持っています。オケラは漢方薬は消化能力の改善効果とともに意欲低下、憂鬱情緒を改善させる効果を同時に示します。半夏は胃腸のアレルギー性炎症反応を改善させ、消化を助けると同時に極度の不安神経症を治療します。 黄金、黄鉛などの薬剤は胃腸管の炎症反応を緩和させながら怒り調節能力を向上させることができます。このような漢方薬材の特徴から、漢方薬材は体と心を同時に落ち着かせるという意味で[心身医学]と表現されました。 

自閉症の子供に漢方薬を組み合わせて治療することは非常に難しいプロセスです。しかし、適切な薬剤の配合が効果を出すと、消化能力の改善によるSIBO症状の改善だけに止まらず、自律神経系の改善を通し睡眠消化心理的安定を同時に作り出し、自閉症の根本治療に進んでいけるようにします。

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4つ目:中枢神経系の自己免疫作用の安定化
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自閉症は、ウイルスと腸内細菌の異常増殖から誘発された二重感染症です。そのため、抗ウイルス治療と抗菌治療が最も根本的な治療だと言えます。しかし初期感染期が過ぎると、多様な環境毒素まで含まれた多様な炎症性物質が持続的に流入し、中枢神経系の自己免疫性損傷が進みます。その結果、徐々に回復不可能な不可逆的な損傷によって知的障害が誘発され、最後には永久的な神経損傷から誘発されるてんかん性痙攣が繰り返される悲しい結末に至ることになります。

したがって、自閉症治療で非常に重要なことは、これ以上損傷が進行しないように自己免疫性炎症反応を早く止めることです。現在までの研究では、自閉児童の脳と脳脊髄液(CNS)で微小膠細胞活性とサイトカイン増加で炎症が誘発されることが確認されています。また、この過程は中枢神経系の自己免疫抗体によって炎症反応が強化されることが知られています。しかし、自閉症を誘発する明確な自己抗体が発見されていないのが実情です。このような理由から、現代医学的アプローチで自閉症の中枢神経系炎症反応を治療する方法は全くない状態です。

生医学的アプローチは、栄養的な改善によってこの問題を解決しようとしました。ケトン食療法を利用し糖質代謝過程で発生する炎症性物質を調節しながら、オメガ3やオリーブオイル、MCTオイル類のような健康的な脂肪酸を利用して脳の炎症反応を下げようとしました。またビタミンC、グルタチオン、NACなどの抗酸化剤を利用して抗酸化作用を助け、自己免疫反応の進行を緩和させようと試みました。 このような努力は相当な成果を収めましたが、迂回的な方法のため限界があるせいか、一貫性のある治療成果を出すことはできませんでした。

自閉症は遺伝性疾患と呼ばれますが、単一の原因遺伝子が決定力を持たない複合的な遺伝疾患です。 同様に自閉症を自己免疫性疾患といいますが、単一の自己抗体が反応する疾患ではなく、非常に複合的な自己免疫疾患です。このような理由から、一つや二つの抗体を見つけて自己免疫疾患を中止させる化学的な治療法が登場するのは難しいでしょう。むしろ自己免疫性抗体を自ら形成させることができる天然物治療法が現実的な答えを与えることになるでしょう。

漢方薬は自己免疫疾患を回復させる包括的な治療法であり、すでに有用性が立証されています。リウマチ性関節炎、ベーチェット病、強直性脊椎炎、円形脱毛など、現代的に統制が難しい自己免疫疾患において臨床的な治療効果を確認した例もあります。私は漢方薬の優れた自己免疫疾患の治療効果を自閉治療に適用するため、神経系の炎症を回復させた伝統的な漢方治療の事例を調査しました。その結果、非常に多様な治療法が得られました。

最も代表的なのは破傷風とポリオの漢方治療です。破傷風の原因菌は、自閉スペクトル障害を悪化させる代表的な嫌気性細菌であるクロストリジウムです。Clostridium tetani菌は、外部から中枢神経系に侵入して炎症を激化させ、ひどい場合は強直性発作(Opisthotonus)と呼吸障害を起こし死に至る疾患です。中国で2000年前に書かれた傷寒金匱要略によりますと、葛根湯、大承気湯、調胃升清湯などを利用して破傷風を治療したそうです。この時に使われた需要な漢方薬は、麻黄、葛根(葛)、 桂枝(sinamon)、大黄、姫昔蓬などの薬剤で、このような薬剤は中枢神経系の炎症進行を緩和/回復させる効能が報告されています。

もう一つの疾患として、ポリオはウイルス起源性疾患です。ポリオ(polio)という腸ウイルス(enterovirus)による急性感染が発生し、脳神経組織が損傷、一時的または永久的な身体麻痺と変形が生じる疾患です。ポリオワクチンが登場するまで日本 韓国、中国では漢方薬を使い難なくポリオを治療し、障害の発生を予防してきました。ワクチンのような予防効果はありませんでしたが、発病初期に治療すれば神経系の損傷を防止し、ポリオに罹患しても障害が残らない驚くべき治療効果を見せました。この時に使われた処方は白虎湯や白虎加人参湯で、石膏、知母、高麗人参などが中枢神経系の炎症性損傷を防止したものです。

Dr.トマトプロトコルでは、破傷風とポリオに使われた葛根湯、大承気湯、白虎湯に含まれる漢方薬材を複合的に使用することになります。一つや二つの薬剤を使うのではなく、葛根, 麻黄、桂皮、石膏、姫昔蓬、大黄、高麗人参などを適切に混合して投薬することになります。このような複合投薬により、自閉スペクトラム障害から知的障害への進行とてんかんへの進行を防止できるようになります。また炎症性損傷から乗り越え、次第に脳神経機能を回復し、社会性を回復していきます。

自閉症の神経損傷を引き起こす自己免疫抗原は、単一の抗原ではありません。多様な抗原が原因として作用するため、多様な自己免疫性抗体を形成するよう助けなければなりません。そのため現在は、1つや2つの特効薬材を利用するよりは、複合的な方法でアプローチする時により効果を出すことができるでしょう。機能医学が作り出したケトン食療法とオメガ3服用法に加え、神経系の炎症反応を鎮静させる多様な漢方薬材を複合的に服用することが、自閉症から脳損傷を防止する最も賢明な選択だと言えます。

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5つ目:中枢神経系の反応性の増加及び 情報処理速度の回復

Dr.トマトプロトコルによって自閉症が好転すれば、急速に社会的指向性は良くなりますが、実際の遂行能力では未熟な症状が見られます。このような未熟さは、結果的に認知障害及び注意集中力障害として現れます。30ヶ月未満の幼い児童の場合は退行的な損傷が少ないため、早期治療に成功すれば大きく認知障害や集中力障害を残さず好転する場合が多いです。

しかし、30ヶ月を超えて治療する児童のほとんどは、社会性障害の好転後も認知障害や注意集中力障害までも伴うことになります。これにより、現実では学習障害とともにadhd的現象から誘発される総合遂行力の困難を経験します。ひどい場合は知的障害と診断される場合もあり、他の場合は通常はADHDの中でも静かなADHD 、つまりADDと診断される傾向があります。この場合知能検査を実施すると、情報処理速度の低下とともに短期記憶の処理能力の低下が現れ、これにより知的障害ないしは警戒性知能と評価される場合が多いです。

このような現象が現れるのは決して先天的なことではありません。自閉症的な退行で損傷した神経系が完全に回復しないまま後遺症による現象です。この原因をもう少し具体的に分類してみると、次のようになります。

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まず、脳の自己免疫性炎症反応が古く、反応が鈍化したパターンが固着したからです。

2つ目に自律神経系の異常で脳の血流障害が発生し、脳の反応速度の情報処理速度が低下した未反応状態が長期化し固着したためです。

鈍化固着した神経系の反応体系を改善させてこそ、認知障害と注意集中力障害を乗り越えることができるようになります。

そのためには自閉症的な性向を乗り超えた後も、大脳の反応性を高める治療を続けなければなりません。

この治療プロセスは、別の治療を必要とするものではありません。 自己免疫性炎症を好転させる治療とともに、自律神経系反応を安定的に活性化させる治療法を持続的に維持しなければなりません。 この過程を維持すると、治療初期には感覚障害が改善された後、次第に大脳全般が活性化し、情報処理速度の改善が行われるようになります。 その結果、徐々に認知障害や集中力障害が改善された効果を出していくのです。 結局、漢方薬を利用して自閉症を治療する過程は、単純な社会性障害を改善することに止まらず、認知障害と集中力障害を改善させる段階に進まなければなりません。

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