Mobile : 080-9699-8386|Line : drtomatojapan

Mobile : 080-9699-8386|Line : drtomatojapan

風邪の発熱と自閉症

無発話の自閉症児が寝言で言葉を発するという話を初めて親から聞いた時、私はそれを信じることができませんでした。一度も言葉を発したことがなかった無発話の自閉症児が急に文章で話すなんて信じがたかったのです。その子は熱が下がった翌朝、通常通りに感覚過敏を強く求める元々の無発話の状態の自閉症児の姿を見せたとのことです。 当時、これは非常に特異でまれな出来事だと考えました。しかし、それは誤りでした。その後、このような無発話の自閉症児が発熱中に話し始めた事例を多く経験しました。寝言でないだけでなく、発熱で辛そうにしていたにも関わらず、目覚めた状態で言葉を発するだけでなく、相互作用も非常に良くなることがありました。発熱時に発話能力が向上するだけでなく、様々な改善が見られると親たちが語ることもありました。 この現象は特異なものではなく、自閉症スペクトラム障害の子供たちにとっては非常に一般的なものであることを知りました。そして私は多くの論文を確認できました。 

2007年のカランの研究論文によれば、親の80%が発熱時に自閉症スペクトラム障害の症状が改善されると報告しています。改善された内容は感覚的な過敏の減少、過剰行動の減少、反復行動の減少、言語能力の向上でした(Behaviors associated with fever in children with autism spectrum disorders, 2007, Laura K Curran)。 2014年、ジマーマンの研究によれば、発熱が本格化する前にも改善傾向が見られ、これらの子供たちは風邪後も改善傾向が持続する傾向がありました(Sulforaphane treatment of autism spectrum disorder (ASD), 2014, Andrew W. Zimmerman)。 2012年、ハーバート博士は著書で、発熱によって症状が変化することから、自閉症は固定不変の脳疾患ではなく、変化可能な脳疾患であり、風邪の発熱が自閉症症状を改善させる効果が明らかであると述べています(The Autism Revolution: Whole-Body Strategies for Making Life All It Can Be by Dr. Martha Herbert)。 今、親たちは次の質問に対して根本的な検討をし、深刻な選択をしなければなりません。風邪で熱が出た場合、子供が少し辛くても自閉症治療に役立つように自然な改善を試みるのか、それとも子供が辛そうなのでただ早く解熱剤を使って自閉症を改善させるチャンスを逃すのか。 はっきりしているのは、解熱剤には風邪の治療効果がないということです。 ただ熱を下げるだけです。

ニュースレターに参加